スタートアップ・新規事業で絶対に外せない「ビジネスアイディアの基本原則」

なぜ、優れたビジネスアイディアを生み出せないのか?

あなたが、これから起業を始めようとしている人であれば、何か具体的なビジネスアイディアをすでに持っていて、それを形にしようと考えているはずです。

しかし、現実には、元々のアイディア通りにビジネスを実現させることは非常に困難であり、特にまったく経験のない領域に取り組もうとしているのであれば、想定外のことだらけが実際には起こると覚悟しておいた方が良いでしょう。

また、資金の潤沢な大手企業にいて、新しい事業を生み出す使命を与えられた、新規事業担当者に対しても同じことが言えます。資金や人材などのリソースが豊富にあっても、新規事業は、その会社にとって初めての領域に踏み出すことであり、アイディアをそのまま実現していくことには常に困難が伴います。

もちろん、ビジネスを具体化するには様々なプロセスがあり、アイディアはその最初のスタートに過ぎません。アイディアが良くても、途中のプロセスが効果的でなかったことにより失敗するプロジェクトもたくさんあります。

しかしながら、最初のスタートが良くなければ、どんなレースでも勝つのが難しくなるように、ビジネスでは、最初のアイディアが重要であることは改めて言うまでもないでしょう。

そうして、新しい事業に途中で行き詰まるたびに、「やはり、元々のビジネスアイディアが良くなかったのか…」と悩む人は数知れません。一体、彼らの何が間違っていたのでしょうか。ビジネスアイディアに問題がある場合、その原因のほとんどが「ビジネスアイディア出しの方法が間違っている、あるいはその量が圧倒的に足りない」ことにあります。

どんなビジネススキルにも習得するまでにトレーニングが必要ですが、「良質なビジネスアイディアを生み出す技術」を習得するのも同じように、そのメカニズムを理解し実践を重ねることが必要不可欠です。まずは、基本的な原則を学びましょう。

今回は、新しいビジネスアイディアを生み出すのに行き詰まっていたり、ビジネススタート時点で考えいたビジネスアイディアが外部要因の変化などで陳腐化してしまったと感じている人のために、その壁を突破する「ビジネスアイディアの基本原則」をお伝えしていきます。

アイディアからビジネスが具現化するステップを理解しよう

巷の起業家の間では、よくこんな会話を耳にします。

発案者A:「すごいビジネスアイディアが思いついたんだ! 聞いてくれないか? …どう思う?」
聞き手B:「うーん、でも、それって、〇〇社がやっていることと特に変わりないし、目新しさに欠けるよね」
聞き手C:「そうそう、それにさ、そのアイディアを実現しても、ユーザーが今以上の利便性は感じないよ」
発案者A:「そうかなー。良いアイディアだと思うけどなぁ…。」思いついた瞬間、自分では「これはイケるんじゃないか?」と感じていたとしても、世の中の批評の洗礼を浴びると、一気に陳腐なものに感じることは、誰しも経験することです。それでは、どうしたら、人を惹きつけるような突き抜けたビジネスアイディアや事業企画を生み出すことができるのでしょうか。

まずは、ステップを分けて、1歩ずつ前に進むことにしましょう。優れたスタートアップや新規事業が生まれる背景には、下記の段階をきちんと踏んでいることがあります。

Step1. アイディア出し
→ ビジネスアイディア化

Step2. アイディアの再構成
→ 企画化

Step3. 必要なリソースの調達
→ プロジェクト化

Step4. 事業可能性の検証
→ 事業化

先ほどの会話の例では、Step1から2への移行の際に、発案者の思考に深みが足りないことを示唆しています。つまり、このアイディアは本当に優れているか? という検証を自ら徹底的に実施していないために、他者から見ると、突っ込みどころ満載というわけです。

 

アイディアの原石を生み出すプロセス

よく、ブレストでは「ダメ出しをしないことが重要」と言われますが、この言葉が暗示するように、Step1 のアイディア出しの段階で現実的に考える必要はありません。次々と思いつくままにアイディアをリスト化していきましょう。

しかし、この次のステップに進むために、生み出したアイディアリストをよく吟味して、本当に、Step2の企画へ変貌できる原石となり得るものだけを残す必要があります。

新しいビジネスアイディアを企画化しようとして躓くのは、このStep1のアイディア出しの精度が低いために、優れた原石を生み出せていないことが最大の原因です。それでは、どのようなプロセスを踏めば、質の高い原石をたくさん生み出すことができるのでしょうか。

昨今は、脳科学が発展し、人がどのような思考回路によって新しいアイディアを生み出すのかということについても様々な研究がなされています。科学的にもエビデンスがあり、かつ、ビジネスの現場でも実証されたアイディア出しの手法やツールがすでに存在しますので、まずはこういった実証済みの手法やツールを活用していくのが一番の近道です。

ただ、いずれのツールを活用するにしても、基本原則を押さえておかないと、十分なパフォーマンスを発揮することができません。そこで、まず最初に、どのようなシュチュエーションにも適用可能なアイディアの原石を生み出す発想術の基本原則について解説します。

 

これさえ押さえれば、もう行き詰まらない! アイディア発想術の基本原則

「アイディアの作り方」の2原則

先述したように、アイディア出しの手法については、様々な研究がすでになされており、多くの論文や書籍によって体系的にまとめられています。なかでも、特に有名なのが、ジェームス・W・ヤング氏が著した「アイディアの作り方」という本です。ヤング氏は、この書籍の中で、アイディアを生み出すためのシンプルな2つの法則を紹介しています。

① アイデアは古い要素の新しい組み合わせであり、それ以上でもそれ以下でもない。

 

② 古い要素から新しい組み合わせをつくる能力は、おもに関連性を見極める能力によって決まる。 
この2つの法則は、アイディア出しについて、非常に奥深い本質を突いています。

 

要素を分解する習慣術

 

先述した①の法則はビジネスの世界でも、よく引き合いに出される法則です。アイディアには、全く新しいオリジナルなものというのは存在せず、必ず、既存の要素を組み合わせて構成されています。この「要素の組み合わせ方」に革新性があるものが、優れたアイディアになり得るというわけです。

皆さんの周りには、どんな組み合わせのビジネスがありますか? 少し時間を取って考えてみてください。

例えば、最近注目を集めている、Amazon エコーという革新的な商品があります。Amazon エコーの要素を分解してみましょう。「スピーカー + 音声による自然言語処理 + AI によるクラウドデータベース検索とそれに対するコンテンツ提供」という大きな3つの要素に分けられます。業界をひっくり返すほどのイノベーションプロダクトだと評価されている商品ですが、3つの要素それぞれは、この商品が開発される前から存在していたものです。

その他のアイディア商品は、どうでしょうか。例えば、漫画喫茶は「インターネットカフェ + 漫画+ 24時間営業」、Uberは「タクシー + 個人ドライバー + クラウドネットワーク + マッチングシステム」、ポケモンGOは「ポケモン + AR + Google マップ」…。

このように、ビジネスを因数分解して、どんな要素から成り立っているかを考える習慣を身につけると、新しいビジネスアイディアを生み出しやすくなります。

また、ブレストを実施する際も、この原則が生きてきます。ホワイトボードに、ビジネスの要素をどんどん書き出し、そのうちの2つ以上を使って、どんな新しい組み合わせがあるか、チームで意見を出し合うのです。

一人で考える時も同じように、真っ白な紙とペンだけを用意して、これから立ち上げようとしているビジネスに関連がありそうな要素を次々と書き出して、新しい組み合わせがないか、考えてみましょう。

「既存ビジネスの構成要素を分解する」
「これからスタートするビジネスの関連要素をリストアップして、新しい組み合わせを探す」

この2つのテクニックを身につけるだけでも、アイディア出しの生産性が劇的に改善するはずです。ぜひ、試してみてください。

要素の関連性を見つける習慣術

法則②の関連性を見極める能力について、ヤング氏は、「脳の訓練をすることによって後天的に身につけられる」と説明しています。関連性を見極めるために最も良い手法は、シンプルに情報整理をすることです。

常に、情報を整理整頓していくプロセスをとおして、それぞれの情報がどのように結び付き合っていくのかが可視化されやすくなります。

また、「これは、面白いな」と感じたビジネスの情報を、そのソースと共に整理しておくことで、「あの時のあの情報をこのビジネスに応用できるのではないか?」というアイディアを発想しやすくなります。

アイディア出しに有用な情報整理のためのツールも様々なものがあります。特に、Evernote は情報の格納性と検索性の両方に優れているため、とてもオススメです。スクラップファイルなどのアナログ的な手法よりも、スピードと情報検索の効率性から、すべてデジタルで一元管理する方法が適しています。

まずは、ビジネスに関係ありそうだな、と思った情報を次々と同じ場所へ格納していき、「この要素と結びつくんじゃないか?」と別の要素とのマッチングが思い浮かんだ瞬間に、過去の情報を検索するのがコツです。

「ビジネス発想ツール」を活用しよう

先述したとおり、優れたアイディアを生み出すためには、そのための「ビジネス発想ツール」を使いこなせるようになることが一番の近道です。

このサイトでは、スタートアップ・新規事業で有用なビジネスアイディアを生み出すための各種ツールとその活用方法をご紹介していきます。会社の文化やリソース、ビジネスモデルなどによってアレンジが必要ですが、基本的な使い方は同じですので、実践をとおして、ぜひ使いやすいものを見つけてください。

ビジネスの立ち上げで行き詰まった時は、ゼロベースからアイディアを再度生み出すために、これらのツールを活用していくと非常に実用的な効果を発揮します。具体的なツールの概要や、活用方法については、下記の記事を参考にしてください。

■ 無限にビジネスアイディアを創り出す「四則演算活用法」
■ ビジネスアイディア発想力を100倍高める「マインドマップ活用法」
逆転の発想術でブレイクスルーを起こす!「問題を大きくする思考法」

優れたヒットプランナーは、道具の使い方をマスターしている

プロの野球選手は、打率3割あれば一流と言われますが、ビジネスの世界での打率はどのくらいを目指すのが適切でしょうか。

スタートアップや新規事業では、軌道に乗り、成果が上がることをヒットに捉えると、打率1割あれば良い方と言われることがあります。つまり、10個プロジェクトがあれば、そのうち9つは失敗することを覚悟した方が良いということです。

野球の世界で一流であるイチロー選手も毎日素振りを欠かさないということですから、打率1割を目指す私たちビジネスマンも、同じくらいの基礎的な練習をする必要があります。

スタートアップや新規事業を担う起業家やビジネスマンにとっての素振りとは、ビジネスアイディア出しのトレーニングです。そして、バットに当たる道具が、アイディア出しのツールということになります。

スポーツの世界では、道具は使い込むほど手に馴染むと言われますが、ビジネスの世界でも、ビジネスアイディア出しの道具を使い込み、マスターすることによって、どのようなシチュエーションでも瞬時に良いアイディアが生み出せるようになります。

ぜひ、この記事を読んで満足することなく、ここで紹介するツールを実際に何度も使ってみることによって、質の高いビジネスの原石を生み出してください。