ビジネスアイディア発想力を100倍高める「マインドマップ活用法」

なぜ、マインドマップを使うと、発想力が高まるのか?

マインドマップは、物事の要素を分解したり、その要素の関連性を導き出すのに非常に優れている、ビジュアライズツールです。今では、一般的なビジネスシーンでもよく使われていますので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

その用途は実に幅広く、考えを整理したり、学習能力を高めたり、物事を分析したりなど、様々な目的で使用されており、多くのエビデンスからその有効性が認められています。

専門のインストラクター制度があるほど、マインドマップのスキルは多様な要素を含んでいますが、この記事では「優れたビジネスアイディアを生み出すために、どのようにマインドマップを活用すれば良いか」という観点に特化して、解説をしていきます。

マインドマップそのものについて詳しく知りたい方は、マインドマップ開発者のトニー・ブザン氏の書籍を読んでみると良いでしょう。

「ザ・マインドマップ」(トニー・ブザン著)

マインドマップは、例えば、物事をリストアップするような直線的な書き方ではなく、ある要素から連想する要素を次々と繋げて放射線状に描くことにより、脳の機能をフルに活用することができると言われています。

言葉だけでなく、イメージを加えることによってイマジネーションを高め、放射線状のプロセスで、無限にアイディアを広げていくことができるため、ビジネスアイディアを作る時にも、非常に大きな効果を発揮します。

本家本元のマインドマップには、細かなルールや手法がたくさんありますが、この記事ではそれらの説明や決まり事を割愛し、すぐに実践的に使える簡易的なやり方のみをお伝えします。

Step1. ここだけは押さえておきたいマインドマップの重要ポイント

簡易的に使うと言っても、やはり最低限押さえなければいけない大切なポイントというものはあります。実にシンプルですので、しっかりとこのポイントを押さえてから、アイディア出しに取り組むようにしてください。

① 無地の横長の用紙を使う。
② 用紙の中心に主題を書く。
③ 最初の枝(ブランチ)は、1ワードにする。
④ 各ブランチに最も関連性が高い要素を、次の枝(サブブランチ)として書き出す。
⑤ 発想が尽きるまで、サブブランチから先の要素を増やし続ける。

決して難しいポイントではないので、実際にマインドマップを使ったアイディア出しを繰り返し実践すれば、習慣のようにほとんど無意識でこれらを実践していけるようになります。

それでは、次のステップで、具体的に実践しながら、マインドマップの活用法を習得していきましょう。

Step2. 優れたビジネスアイディアを生み出すマインドマップ実践活用法

前回の四則演算でアイディア出しをする記事おいても、マインドマップで要素を分解する手法を紹介しましたが、これは非常にパワフルなツールです。なぜなら、ビジネスの要素を直感的に分解する作業をしながら、同時に、分解した要素同士を新たに組み合わせることができるようになるからです。

■ 無限にビジネスアイディアを創り出す「四則演算活用法」

マインドマップを使って、優れたアイディアを生み出す方法は、主に下記の2つがあります。

  1. ビジネスの要素を分解し、新しい組み合わせを再構築する
  2. 新しいビジネスの全体像を描き、要素の取捨選択を行う

それぞれ、具体的なやり方を下記に記載します。

Step2-1. ビジネスの要素を分解し、新しい組み合わせを再構築する

前回の記事では、「カフェ業態」というドメインに対して、関連する要素を分解していき、可能な限り多くの要素を書き出すのに、マインドマップの手法を使いました。これを参考に、ご自身のビジネスでも同じことをやってみてください。

Step2-1-1. 主題を書く

マインドマップのポイントに従い、横長の無地の用紙を用意し、真ん中に主題を1つ書きましょう。ビジネスアイディアを生み出す用途では、新しく生み出したいビジネスのドメインを主題として記載すると、発想しやすくなります。

カフェ業態の例では、主題の範囲自体が広いため、書き出す要素も幅広く出てきました。ビジネスアイディアを創り出す場合、あまり、業界業種やそこに根付いている文化や常識の壁にとらわれない方が革新的なアイディアが生まれやすくなるため、マインドマップに記載する主題について、範囲を絞り過ぎないようにすることがコツです。

例えば、
「新しいスポーツビジネス」
「既存のエンターテイメントを越える商業施設」
「企業の売り上げが倍増するコミュニティビジネス」
といったように、比較的広い範囲でビジネスアイディアの主題を捉えるようにしてみてください。

なお、マインドマップを使ってビジネスアイディアを生み出していく際、まずは手書きで行う方が柔軟に進められるのでオススメではありますが、どうしてもデジタルが良いという方は、下記のような無料のアプリケーションを利用される良いでしょう。

Simple Mind

マインドマップを書くために必要な基本的な機能が備わっており、コピーしたり、チームで共有したりなどが簡単にできるため、非常に便利です。

Step2-1-2. 最初の枝(ブランチ)を書く

主題が決まったところで、最初の枝(ブランチ)を描きましょう。このブランチは、必ず1単語にしてください。そうすることによって、その次の枝(サブブランチ)を書き出していく際に、より自由な発想ができるようになります。

ブランチを書き出すコツは、「主題のメインの要素を3つ〜4つ挙げるとしたら、何になるか」というイメージで考えることです。

カフェ業態の例では、ブランチを「飲み物」「食べ物」「場所」「用途」という4つのワードで設定しました。カフェの基本要素として、誰もがイメージしやすいワードをブランチにすることによって、それぞれのサブブランチを的確に書き出していけるようになっています。

Step2-1-3. ブランチの次の枝(サブブランチ)を可能な限り、書き出す

子供の頃、よく連想ゲームで遊んだ方は多いのではないでしょうか。マインドマップでビジネスアイディアを生み出す方法は、この連想ゲームに良く似ています。

先ほどのステップで書き出したブランチに対して、連想できる要素を可能な限り書き出していくことで、より自由な発想が可能になり、アイディアの枠が一気に広がります。

このプロセスにおける枝分かれは、何階層になっても問題ありません。むしろ、階層が深くなればなるほど、これまで主題についてのみ考えていた時は一切思いつかなったような斬新な要素が生まれてくるため、どこまでも広げていくことがポイントです。

カフェ業態の例でも示しているように、1つのブランチに対して、最低10個の要素を書き出していくようにしてください。この時の枝分かれした新しい要素が多いほど、新しい組み合わせが生まれやすくなり、その分ビジネスアイディアの精度や革新性が高まっていきます。

Step2-1-4. 新しく書き出した要素を再構成する

十分な数のサブブランチを書き終わった段階で、今度は、それぞれの要素の新しい組み合わせを考えることによって、新しいアイディアを生み出します。

書きあがったマインドマップを全体像から眺め見ると、実に多様な要素が関連していることが分かるでしょう。そして、ブランチの分かれた枝先の要素同士が、一見特に関連が無さそうに見えて、それらを主題と絡めて組み合わせたら、面白い発想ができるのではないか、という感覚を掴んでください。

例えば、

『「カフェ業態」という主題に対して、「打ち合わせ」と「和モダン」という組み合わせは、これまでなかったな』
『「カフェ業態」という主題に対して、「おしゃれ」で「コーヒーと文学作品が楽しめ」て「隙間時間で勉強もできる」というコンセプトは、自社のイメージに合うな』

といったように、これまで自分の頭の中だけで考えていた時には思いつかなったような新しい組み合わせを発見する感覚を体験することが非常に重要です。繰り返しマインドマップに取り組む中で、このセンスを掴んでいくと、圧倒的に良質なビジネスアイディアを生み出す精度が高まります。

Step2-2 マインドマップで新しいビジネスの全体像を描き、要素の取捨選択を行う

Step2-1 では、マインドマップで新しい組み合わせを発見することにより、新しいアイディアを生み出す方法について解説しました。ここからは、その応用編として、新しく生み出したビジネスアイディアを主題として、関連要素を明確にすることで、その全体像を明らかにするプロセスについて紹介します。

新しいビジネスアイディアに対して、どのような要素を含めるかという取捨選択が、その精度やマーケットへのインパクトを決定付けます。含める要素は多過ぎると、コンセプトが複雑になり過ぎてマーケットへその魅力を伝えることができなくなりますし、逆に含める要素が少な過ぎると、既存のビジネスに対する差別化ができなくなるため、このバランスが非常に重要です。

マインドマップを使って、新しいビジネスアイディアの全体像を効果的にビジュアライズすることにより、その次のステップであるビジネスの企画立案を非常にスムーズに進められるようになります。

Step2-2-1. 新しいビジネスアイディアを主題として書き出す

それでは、新しいビジネスアイディアについて、その全体像を描き出していきましょう。Step2-1でやってきたマインドマップのプロセスをもう一度繰り返すイメージです。

まずは、Step2-1-4で作り出した新しい組み合わせの中から、最もビジネスアイディアとして優れていると主観的に感じられるものを1つ選んでください。これを主題として、マインドマップ用紙の真ん中に描きます。

そして、その主題をベースに、新しいマインドマップを作り出します。新しいビジネスアイディアをどのような要素で構成するか具体的に考えることによって、より洗練されたアイディアへとブラッシュアップさせるのです。

ここでは、カフェ業態というドメインに対して、「外国人向け」「ビジネス用途にも使える」「和モダン」という要素を組み合わせて生み出した「インバウンド和モダンカフェ」というアイディアを例として、解説していきます。

Step2-2-2. 新しいビジネスアイディアに含める構成要素を書き出す

Step2-2-1 で決めた主題に含めたい要素をゼロベースで考え、ブランチとして書き出していきましょう。あとで不要な要素は削っていきますので、ここでは思いつくだけ多くの要素を可視化してみてください。

「インバウンド和モダンカフェ」のブランチを書き出すと、下記のようなイメージとなります。

このプロセスにおけるコツは、コアなコンセプトとなる要素を3つ選んで、それをブランチとして設定し、その3要素に対するサブブランチを広げていく手法を取ることです。

ビジネスのコアコンセプトを要素の組み合わせで表現する時、その要素の数は、2つでは少なすぎ、4つでは多すぎる印象を与えます。3つの要素でコンセプトを表現できると、相手に伝わりやすく、かつ強烈なインパクトを訴求できます。

「新しいビジネスアイディアに対して、たった3つの要素を組み込むとしたら、どの要素を選ぶのが最も魅力的か?」という基準で、3つのブランチを選別してみてください。

Step2-2-3. 書き出した構成要素の取捨選択を行う

Step2-2-2 で可能な限りのサブブランチを書き出したら、一回全体像を見渡してみてください。パッと見直すだけでも、「これは絶対に入れたい要素」と「別になくても良い要素」の2つが区別できるはずです。

より具体的に、このアイディアをベースにした事業企画を立案する際には、マーケットの調査や収支シュミレーションなど、より事業運営上の現実的要素が加わってくるため、それぞれの細かな精査が必要になってきます。

しかし、このプロセスでは、あくまでも、新しいビジネスのコアとなるアイディアを固めるのが目的ですので、「最低限含めたい要素」まで絞り込むことがポイントです。

あまりにもたくさんの要素を詰め込み過ぎると、ビジネス化する際に非現実的なプランとなってしまい、「計画倒れ」に終わってしまうリスクがあります。むしろ、要素を絞ってシンプルな構成にすることにより、アイディアをビジネスレベルへと展開する際に、より実行の精度が高い事業戦略を組み立てることが可能になります。

目安としては、3つのブランチそれぞれに、3つのサブブランチを描くところまで絞り込むと良いでしょう。

マインドマップをアイディア出しに活用すれば、ここまで生産性が変わる

ここまでのプロセスを順番に踏んでいけば、ビジネス化する上で十分なレベルまでアイディアが洗練されてきていることを実感できるはずです。

ご自身で納得できるまで、何度もこのアイディア出しのプロセスを繰り返し実施してみてください。また、チームでブレストをしながら、このプロセスを実施するのも非常に効果的です。

マインドマップが優れている理由は、放射線状に制限なく思考を展開しながら、全体像を可視化することで、アイディアが無限に広がり、かつ、それぞれの要素の関連性を見れるようになる点にあります。まさに、ビジネスアイディアを生み出すには、必須のツールというわけです。

様々なデータや資料を眺めたり、Google 検索をしても、情報の絶対量は増えていきますが、その組み合わせに対する新しい発想はなかなか生まれて来ません。

高度情報社会の現代だからこそ、最大の差別化は「発想力」によって生み出されると言えます。そして、そのためには、データ分析だけでなく、自らのイマジネーションを可視化することが必要です。ぜひ、マインドマップを活用して、ライバルを凌ぐビジネスを創り出していってください。

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